映画「グラン・トリノ」あらすじ

フォードの自動車工場を50年勤めあげたコワルスキーはポーランド系の米国人で、社交的だった妻を亡くし頑固さ故に息子たちからも距離を置かれ、限られた友人たちと悪態をつきながら気ままに暮らしていました。愛車グラン・トリノが自慢で、日本車人気が高まろうが近所には東洋人ばかりになろうが、デトロイトにアメリカ国旗を掲げながら隠居生活を送っていました。常に国旗を掲げた自宅のポーチで缶ビールを飲み、握りつぶすと言う毎日の繰り返しでしたが、ある時隣の家に住むモン族の少年タオが街のギャングにそそのかされて愛車を狙って忍び込み、コワルスキーは銃を構えて追い返します。タオの姉スーはとても明るく元気な女性で、無理やりコワルスキーにホームパーティに誘い、何かと交流を持とうとします。今まで付き合いを避けていた頑固なコワルスキーも、次第にスー達に笑顔を見せるようになりタオを一人前の男に育てようとします。そんなある日、モン族のギャングにさらなる嫌がらせをタオが受けたことに激高したコワルスキーはギャングたちに報復しますが、その報復としてタオの家は襲撃されスーはレイプされてしまいます。復讐の念に燃えるタオをだまして家の中に閉じ込め、コワルスキーは立ち上がります。この状況に決着をつけるべく一人でギャングたちの住処へ行きタバコをくわえ、銃を取り出すかのようなしぐさを見せたことでギャングたちは恐怖にかられ、コワルスキーに向かって発砲し射殺してしまいます。実はコワルスキーは病を抱えており、もう先が長くないということから自らの身を犠牲にしてギャングたちに罰を与えたのでした。彼は銃など持っておらず丸腰で目撃証言もあったことで、ギャングたちには長期刑が見込まれます。遺書には愛車をタオに譲るとあり、グラン・トリノを運転するタオの姿で映画は終わります。

映画「グラン・トリノ」感想

さすがのクリント・イーストウッドです。監督、主演と彼の映画はどれも本当に素晴らしいです。こちらの映画も見終わって心が温かくなるような気持ちにさせてもらえました。頑固一徹のへんこで嫌なオヤジでしかなかったコワルスキーが、スーの明るさによって次第に心が和らぎ、顔はしかめっ面ながらも彼女たちの家でパーティに参加している姿はほのぼのしました。奥さんが亡くなって子供たち家族からも距離を置かれ、久しぶりに家庭というものの温かさを感じ、タオたちと交流を深めていった先の悲劇、最後のシーンはしびれるほどかっこよかったです。タオの将来を考えて彼の身を守り、自分の命を引き換えにしてスー達の平和を何とか取り戻そうと、丸腰で悟ったような表情を浮かべながらギャングの家に乗り込む姿は素敵です。でもコワルスキーがあれほどいこじな性格になってしまったのも、朝鮮戦争による影響があるということがちょっと垣間見れましたが、やはり戦争によるPTSDは少なからずあるのだなと思いました。